長尾和宏著「コロナ禍の9割は情報災害」を読む ― 2 「ただの風邪」とは言ってはみたが、獲得免疫はどうすりゃいいの?

 

長尾和宏著「コロナ禍の9割は情報災害」を読む ― 2 「ただの風邪」とは言ってはみたが、獲得免疫はどうすりゃいいの?

  

長尾和宏著「コロナ禍の9割は情報災害: withコロナを生き抜く36の知恵」

を読んでいます。


<<最初にお断り: この本は2020年12月に出版された本です>>  

 


  

p60

 

ただし、「ただの風邪」といいきれないのは、風邪よりもちょっと毒性が強く、風邪と

は異なる嫌な面もいくつか持っているからです。

一つは、ウイルスが中枢神経(脳と脊髄)に入り込み、脳炎などを起こすことがまれに

あること。 また、自分の体を守ってくれるはずの免疫が暴走して正常な細胞まで傷つけ

てしまう「サイトカインストーム」と呼ばれる状態を引き起こしてしまうこともあります。

 

 

p61

 

新型コロナでは、サイトカインストームによって血液がドロドロになり、血栓ができて

しまうパターンと、感染の初期からウイルスが血管の中に入り込み、血管の内側の膜

(血管内皮)を攻撃することで血栓がつくられるパターンがあるようです。その結果、

血管が詰まってしまい、脳梗塞や心筋梗塞、多臓器不全・・・が起きてしまう

 

・・・ただし、こうしたことが起こるのは、ごくごく一部の人です。

 

p63

 

普通の肺炎の場合、治れば元の肺に戻りますが、新型コロナの場合、線維化を起こす

間質性肺炎になることが多く、一部の人で息苦しさやだるさといった後遺症が続くのです。

 

==>> 一応、医者らしく、ここで予防線が張ってありました。

     「ごくごく一部」が何パーセントぐらいなのかが知りたいです。

     今現在の状況は、デルタ株によって、このようなことが、「ごくごく一部の人」

     ではなくなっているという話ではないでしょうか。

     この後に、「症状の出る2日前から、症状が出てからの3日間が、特に感染力

     が強い時期」ということも書いてあります。

     こういうことをちゃんと書いておきながら、「歩いて自然免疫をつけましょう」

     ということだけでいいんですかね、長尾さん。

 

p68

 

どういう人が重症化しやすいのでしょうか。・・・・国内で新型コロナが原因で

なくなった人のうち、70代以上の方が、8割超をしめています。

なぜ高齢だと重症化しやすいのかといえば、肝心の自然免疫が、高齢になればなるほど

弱くなるから。 

 

==>> これについては、高齢者向けにワクチン接種がほぼ完了してからというもの、

     すっかり様子が変わってしまいました。

     2021年8月の状況を厚労省のサイトでみてみます。

     https://covid19.mhlw.go.jp/

 

     ― 性別・年代別陽性者数(累積)のグラフでは、20~50代に陽性者が多く

       なっています。

     ― 性別・年代別重症者数のグラフでは、重症者が40~60代にも広がって

       いるのが読み取れます。

     ― 性別・年代別死亡者数(累積)のグラフでは、これも40~60代に

       年齢が降りて来ている感じです。

     ― 入院治療等を要する者等推移については、過去2回のピーク時は、

       7万人ぐらいだったのが、最近は20万人を超えています

 

     こちらは7月18日の記事ですが、感染症専門医による記事です。

     デルタ型に徐々に置き換わり、40代・50代の重症者が増加(東京)

     https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210718-00248512

     「アルファ型は従来の新型コロナウイルスよりも感染力が4390%強いと報告

されていましたが、デルタ型変異ウイルスはこのアルファ型と比べてさらに

64%感染力が強いとされており、このデルタ型変異ウイルスの占める割合が

東京都内で増加すればますます感染者は増加しやすくなります。」

 

「第5波ではさらに高齢者の占める割合は減少し続けています。」

「東京都における65歳以上の高齢者のワクチン接種率は、1回目のみが70%、

2回完了が40%を超えており、接種率が高くなるに従って「新規感染者のうち

65歳以上の割合」が減っています。」

 

「これまでよりも重症化しやすいとされたアルファ型変異ウイルスよりも、

デルタ型変異ウイルスではさらに重症化リスクが高くなるとされており、

今後はまだワクチンを接種していない40代、50代といった働き盛りの

世代における重症者の増加が懸念されます。」

 

・・・今のデルタ株が、上記のような傾向をたどっていくとすれば、

40~50代の人たちにも重症者が増えるという話になります。

その場合、長尾氏のいう自然免疫で98%は大丈夫は通用するのでしょうか

 

 

p71

 

新型コロナで重症化リスクが高いのは、より正確にいえば、肥満にともなう糖尿病、

肥満にともなう脂質異常症、肥満にともなう高尿酸血症なのです。

 

p78

 

タバコは肥満以上にリスクを高めるとされています。

その理由の一つとして、タバコを吸うとACE2受容体が増えるのです。新型コロナ

ウイルスは、目・鼻・口の粘膜から侵入したあと細胞のACE2受容体にくっつくことで

細胞の中に入り込み、感染を成立させます。

 

==>> ここにあげられた病気は、著者の専門とする分野かもしれません。

     これらの病気を改善するためには「歩く」ことが一番だと繋がっていきます。

     タバコに関しても、長尾クリニックには禁煙指導もやっているようです。

     いわゆる生活習慣病の改善に力をいれている地域医療に熱心なクリニック

     みたいです。

     私は愛煙家なので、これが怖くてワクチンを打ちました。

     後付けの理由ですが・・・・


 ==>> 突然ですが、タバコに関して、こんな研究結果が発表されました。

     タバコは感染を抑制する効果があるそうです。

     タバコの煙や胃潰瘍治療薬に新型コロナウイルスの感染阻害作用を確認 | 大学ジャーナルオンライン (univ-journal.jp)

     「広島大学と関西医科大学の研究グループは、タバコ煙成分をはじめと

     する、芳香族炭化水素受容体(AHR)を活性化する化合物が、新型コロナ

     ウイルス受容体の発現量を低下させることで細胞への新型コロナウイルス

     感染を抑制する効果をもつことを明らかにした。

     一般に、喫煙は新型コロナウイルス感染症の病態に悪影響を与えるとの

     研究結果がある一方で、驚くことに、新型コロナウイルス感染者に喫煙者

     が少ない、または喫煙者の新型コロナウイルス陽性者が少ないという報告

     もある。

     ・・・・・新型コロナは、今までの常識を超えたもののようです。

     

p83

 

自己免疫の力を高めるには、このお巡りさんの数を増やすか、お巡りさん一人ひとりの

働きを高めるか、ですよね。 ・・・数を意識的に増やすことは難しいのですが、お巡り

さんたちが働きやすい環境を整えることは可能です。

 

・・・そのため、通り道である血流やリンパの流れを良くしてあげれば、お巡りさん

が働きやすい環境を整えること、つまりは自然免疫を高めることにつながるのです。

 

p84

 

歩く生活が、全身の血液とリンパの巡りを良くし、体温を挙げて、体内を守る免疫

細胞たちのパトロールを強化してくれます。

 

==>> この部分が著者が一番主張しているところであるようです。

     歩く ―― 血液とリンパの流れを良くする ― 自然免疫を高める

 

     ・・・このことは地域医療を支えているクリニックの院長先生としては

     実に正しいことだと思います。

     そして、テレビのワイドショーなどで不安感と恐怖感を過剰に感じている    

     人たちが、自宅に閉じこもった結果として、生活習慣病や成人病みたいな

     慢性的な病気を悪化させている、また、仕事の関係で精神的に追い詰められて

     自殺をするというようなことも増えているのではないか、ということも

     全く正しいと思います。

 

     よって、98%の人は大丈夫という話は理解できますし、その自然免疫の

     レベルを保つために歩きましょうということもよく分かります。

     しかし、この著者が応えていないのは、他の2%の人たちのことです。

     自分は98%のグループに入っているのか、あるいは2%のグループなのか、

     それが不安なのだと思います。

     

p91

 

自然な睡眠リズムをともなう睡眠をとることが、免疫力を強化してくれます。睡眠と免疫

は大いに関係があるのです。「寝る子は育つ」ではありませんが、よく寝る人は免疫力が

育まれます。

 

p94

 

免疫細胞の7割は、腸にいます。 特に小腸です。

・・・腸内環境を良くすることも、当然、お巡りさんの働きぶりを強化することにつながり

ます。 

 

p96

 

・・・食物繊維は、善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしてくれます。 また、

食物繊維のなかでも水に溶ける水溶性食物繊維は、腸の中でネバネバしたゲル状になり、

いらないコレステロールや糖を吸着して体の外に出してくれます。

 

==>> この辺りの記述は、いわゆる健康指導という内容かと思います。

     これこれをやれば、自然免疫が保てますから頑張ってくださいね、という

     教育的指導です。 養生訓と言ってもいいと思います。

 

 

p112

 

では、自分の免疫力を知る方法はないのかといえば、大まかであれば、わかります。

たとえば、遠出をしたわけでもなく、いつもと同じような家事・仕事をしていても、

なんとなくだるい、疲れているときがありますよね。 そういうときには、やっぱり

免疫力が下がっています。 また、食欲もバロメーターになります。 食欲が落ちて

いるときには、免疫力も落ちている。

 

p113

 

それから、舌です。舌は体の状態をよく表すので、漢方では舌を診る「舌診」があり、

私も診察のときには患者さんの舌の表面の状態を診るようにしています。

 

p114  

 

よりわかりやすいのが、口内炎です。 よく口内炎ができる人は要注意。

唾液中にはヘルペスウイルスなどのウイルスが常在し、一日の間でも量が増えたり減った

りしています。 ふだんは体の免疫力によって適度な範囲に保たれていますが、免疫力

が低下すると、ウイルスの量が増え、口内炎ができるのです。

 

 

p116

 

免疫も、実は同じです。 免疫を担当するお巡りさんにも寿命があります。種類によって

異なりますが、たとえば自然免疫を担う好中球の寿命は数日です

 

==>> この辺りでは、どのように自然免疫のレベルを判断するかについて述べて

     いますので、参考になると思います。

     ちなみに私の場合は、以前は時々口内炎が出ていたので、ビタミン剤を

     常備薬としています。 ちょっと口内炎が出てくるかなという微妙な時に、

     早目にチョコラBBというビタミンB2が配合されているものを飲むと、

     口内炎がすぐに引っ込みます。ただし、かなり痛くなってからでは

     なかなか治りません。

     疲れている、口内炎がでた、多分免疫力が下がっている、だから歩いて免疫力を

あげようという循環だと、さらに疲れてひどくなりそうな気がします。

こんなときには、ビタミン剤かと思います。ど素人の経験談です。

 

 

p120

 

コロナの場合、当初は「接触感染と飛沫感染でうつる」といわれていました。

みなさんも、テレビやネット記事、本などでそう見聞きしたのではないでしょうか。

でも、私は空気感染がメインだと考えています。 いまだに「空気感染はない」と断言

している記事や本がありますが、私は当初から空気感染はあるはずだ、と考えていました。

 

==>> この空気感染というのはおそらくエアロゾルになって感染するということ

     だろうと思いますが、下記のNHKニュースでは、2020年7月8日に

     既に空気感染の可能性が示唆されていました。

     この長尾氏の本は2020年12月に出版されていますので、少なくとも

     国民のほとんどがNHKのニュースをみていれば、7月の時点で分かっていた

     ことだと思います。 私もエアロゾルによる空気感染はあると理解していま

     した。 

     WHO「空気感染の可能性除外できない」新型コロナ

202078 933分」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200708/k10012502821000.html

     「新型コロナウイルスの感染経路について6日、世界32か国の239人の科学者

らが声明を発表し、せきやくしゃみで飛び散る「飛沫」による感染だけでなく、

さらに細かい粒になって遠くまで到達して感染する可能性を指摘しました。」

 

・・・・つまり、どんな情報源を見ているかによって、偏った理解になり得る

ということを長尾氏は言っているのかもしれません。

 

     ちなみに、スーパーコンピューター富岳を使った下のような動画は、

     テレビニュースでもたびたび紹介されていました。

     2020年8月25日の動画です。

     https://www.youtube.com/watch?v=VfdzPdvKKCU

 

     ただし、空気感染とエアロゾルによる感染と飛沫感染などの正確な定義は

     私にはいまいち分かりません。

 

     下のサイトでは、次のように説明されています。

     (URLが長すぎるので省略します)

     「東京都医師会 尾﨑治夫会長に聞く、新型コロナウイルスの感染経路 ~空気

感染はする? 家庭内感染の予防や"変異"についても解説~」

     「新型コロナウイルス感染症で考えられる空気感染は、従来の空気感染とは

少し異なる感染経路です。厳密には、飛沫感染と空気感染の中間のような立ち

位置にあり、昨今では“エアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)”と表現されて

います。

エアロゾル感染には飛沫感染、空気感染、接触感染などのように世界的に統一

された定義はありません。しかし一般的には気体の中に微粒子が浮遊している

状態(エアロゾル)で、その中に感染者の飛沫などに含まれていたウイルスが

含まれ、ほかの人がそれを吸い込むことによって感染することを指します。」

 

 

p123

 

「三密が危ない」と発見したのは、厚生労働省のクラスター対策班のお手柄でした。

彼らは、感染者が出たら聞き取りを行い、30分も1時間もかけて発症前の行動を聞いて、

濃厚接触者を特定し、クラスターを潰していったわけです。

 

空気感染を想定して、三密の回避と換気を怠らないこと。 これが、一番のコロナ対策

だと思います。

 

==>> これはその通りだと思います。

     厚労省クラスター班の「三密」の発見は、WHOでも採用されたことが

     私が既に読んだ本の中でも紹介されていました。

 

     「黒木登志夫著「新型コロナの科学」」

     https://sasetamotsubaguio.blogspot.com/2021/08/blog-post_35.html

     「p144

2月25日、厚労省内に、クラスター追跡班が設けられ、北大、東北大など

から集まった30人がクラスター追跡を始めた。 これが、その後のクラスター

追跡の指針となり、感染対策に効果を発揮した。

クラスターの分析の中から、「三密」という概念が生まれた。

・・・WHOも、日本の成果を受けて、Three Cs(密閉、密集、密接)を推薦

した。

クラスター対策と「三密」は、日本の新型コロナ対策の成功例といってよい。」

 

 

p125

 

ところが、こと新型コロナに関しては、・・・・軍隊である獲得免疫が抗体を用意するのは、

最終手段。 人工呼吸器やエクモ(人工心肺装置)を必要とするような段階になって、

ようやく抗体を持つようになります。ほとんどの場合、新型コロナウイルスが体内に入って

きても、“町のお巡りさん”役の自然免疫が対処しているわけです。

 

p126

 

本物の新型コロナにかかっても抗体ができる可能性は低く、できたとしても数カ月で

消えてしまうのに、ワクチンによって人工的に抗体をつくることはできるのでしょうか。

私は、難しいと思います。

 

==>> 私はここでこの先生にがっかりしました。

     「人工的に抗体をつくることは難しい」と思っている医師であるわけです。

     つまり、最先端のワクチン医療の進歩について、なにも知らなかったという

     話になってしまいます。 こういう本を出すのなら、それぐらい調べて

     おいてくださいよと言いたいです。

 

      こちらのサイトでは、新型コロナに対するワクチン、特にメッセンジャー

RNAワクチンの開発の歴史が書いてあります。

 

「第5段階:

20089月、米国、カリコー・カタリンらは、ヌクレオシドを利用し、

RNAを修飾する技術を開発した。これによりmRNAを使った遺伝子置換

技術、さらにワクチン開発が可能となった。」

「・1985年、テンプル大学に招聘され渡米。アメリカ国内での非免疫ヌクレ

オシド変形RNAに関する特許を保有している。この研究によりmRNA

抗ウイルス応答が癌ワクチンの腫瘍予防に有効であることが明らかになり

2020年には、この技術がファイザーとバイオンテクが共同開発したCOVID-19

ワクチンにも応用された。」

 

・・・つまり、2008年にワクチン開発への道ができて、その後、癌ワクチン

に関連して有効性が明らかになって、2020年にはその応用がされて新型

コロナのワクチンに至ったという歴史があります。

今、高齢者への接種がおおむね完了し、高齢者の感染が目に見えるように

減少した事実をみて、長尾氏はどのように考えているのでしょうか。

 

 

p127

 

集団免疫をつけるには、多くの人が抗体を持たなければいけません。 つまりは、多くの

人が新型コロナに感染しなければなりません。

この集団免疫作戦をとったのが、スウェーデンでした。 あえて厳格な都市封鎖(ロック

ダウン)も外出制限も行わず、飲食店も商業施設も営業を続けたまま、高齢者への

面会抑制などのソーシャルディスタンスをうながす程度で、自然に任せたわけです。

 

ところが、・・・・抗体を持っている人の割合は14%でした(6月時点)。 集団免疫

を持つにはまだまだの割合です。

 

p129

 

新型コロナの場合も、本当に効果のあるワクチンをつくるのは難しく、たとえできたと

しても、今度は副作用の問題があります。 だから、期待しないほうが良いのです。

・・・感染しても重症化しないように、日頃から免疫を鍛えておくほうがよっぽど

即効性があり、効果的だと思います。

 

==>> ワクチンには期待するなというのが長尾氏の結論のようです。

スウェーデンが集団免疫作戦をとっていたという情報はどうも間違っていた

     ようです。 私が既に読んだ有識者会議の調査によれば以下のように報告

されています。

「スウェーデンの対新型コロナウイルス政策」

     https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/3743

     「スウェーデンは、都市閉鎖(ロックダウン)は長期間持続不可能であるだけ

でなく、エビデンスがないとして、ロックダウンをしない独自の新型

感染症対策を行い、世界の注目を集めた。「集団免疫獲得を目指している」

と非難されることが多かったが、スウェーデンが集団免疫獲得を目指した

ことはない。」

「実際には、数々の規制があり、国民はその規制に従って行動したため、部分的

ロックダウンであると言える。現在、スウェーデンの人口10万人あたりの死亡

者数は、世界でも13位程度と高い。死亡者数が増えてしまった背景には、

スウェーデンの介護システムが抱えていた脆弱性があり、今後、調査の上、

改善されることになっている。

 

・・・・マスコミに騙されてはいけないというのは、このようなことで

しょうね。

 

ところで、スウェーデンの医療制度については、日本もいろいろと学ぶべき

ことがたくさんあると思います。しかし、根本的な思想が異なるようなので、

日本が高齢化社会の医療制度を抜本的に変えるためには、革命的な意識変革

が必要であろうと思います。

その中で、上記のサイトで述べられている特に高齢者のトリアージについては、

私は賛成です。

 

「治療方針は、延命治療も含めて決定権は医師にあり、エビデンスに基づいた

決定がなされる。エビデンスのない治療を患者や家族が望んだとしても、それを

受け入れることはない。限りある医療資源を有効に利用し、公平に分配するため

に、普段からエビデンスに基づき、「救える命を救う」方針が徹底されており、

国民のコンセンサスも得られている。」

 

・・・このようなスウェーデン方式をこの本の著者である長尾クリニックの

診療内容や長尾氏の考える治療方針に重ね合わせて、勝手に考えてみると、

長尾氏が日本在宅医学会専門医、日本尊厳死協会副理事長、日本ホスピス・

在宅ケア研究会理事、日本慢性期医療協会理事、エンドオフライフ・ケア協会

理事、などの要職を務めていることから見れば、両者の考え方は割と馴染む

のではないかと見えますので、是非、思想変革の旗頭になってもらいたいと

思います。

 

私自身は、もう古希を過ぎましたので、いつでもぽっくりと逝けることを

望んでいるのですが、新型コロナの場合は、かなりの苦しみが待っている

ようなので、それぐらいなら、新型コロナに罹って死ぬ確率よりも

ずっと少ない確率ででるワクチンの副反応でポックリと死ぬ方がましだと

思ってワクチンを接種しました。

     長尾氏が大丈夫だと言う98%に私が入っているとは全く思えないもんで

     からね。 特に目立った生活習慣病や成人病の類があるわけではないんですが、

     愛煙家が一番悪いとおっしゃってますからね。

 

 

p129

 

ノロウイルスのワクチンが出来ないのは、ウイルスの変異が激しいからだといわれて

います。 やっぱり人間よりもウイルスのほうが一枚も二枚も上手なのでしょう。 

ウイルスは人間よりもはるかに数が多く、歴史も古く、その分、したたかに生き延びる

術を知っていますから、そう簡単に勝てる相手ではないのです。

ただ、鼻粘膜のIgA抗体を増やす「点鼻ワクチン」には期待しています。

 

==>> 長尾氏が全面的にワクチンに期待していないのかと思っていたら、

     「点鼻ワクチン」というものには期待しているんですね。

 

     「鼻から吸入する新型コロナワクチン開発 効果検証へ 北里大学」

     https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200724/k10012530481000.html

 

     「ワクチンは抗体の働きで感染を防ぎますが、新型コロナウイルスの場合、

感染してもしばらくすると血液中の抗体が減り始めたという報告があり、

ワクチン開発には課題があると指摘されています。北里大学のグループは

鼻から吸い込むことで、ウイルスの入口となる鼻の奥で抗体を作って感染を

防ぐ新たなワクチンの開発を進め、近く、動物実験などで効果を確かめると

しています。」

 

「このワクチンは、免疫の反応を引き起こすたんぱく質を、「分子ニードル」

と呼ばれる細胞の中で溶ける極めて微少な針状の分子を使って注入するもので、

鼻から吸い込むことで鼻の粘膜に局所的に抗体を作りだして感染を防ぎます

研究グループは、注射によって血液中で抗体を作るよりも効果が高く、接種も

手軽なので、抗体が減っても対応しやすいとしています。」

 

・・・なるほど、ウイルスの入口である鼻の中で、その鼻の粘膜に武器を

持った警備兵を置こうという戦術のようです。

ウイルスの入口は鼻だけなんですかね?

ちょっとそこが気になる。 でも、気軽にできるワクチンがあればいいですね。

 

== その3 に続きます ==

 長尾和宏著「コロナ禍の9割は情報災害」を読む ― 3  デルタ株で消えたファクターX? 「もともと体が弱っていた方でしょう」?? (sasetamotsubaguio.blogspot.com)






 

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