黒木登志夫著「新型コロナの科学」を読む ― 3 ファクターX、日本モデル、民間臨調、CDC、日本のRtは?

 

黒木登志夫著「新型コロナの科学」を読む ― 3 ファクターX、日本モデル、民間臨調、CDC

 

 

黒木登志夫著「新型コロナの科学:パンデミック、そして共生の未来へ」を

読んでいます。

 

 


 

 

p144

 

2月25日、厚労省内に、クラスター追跡班が設けられ、北大、東北大などから集まった

30人がクラスター追跡を始めた。 これが、その後のクラスター追跡の指針となり、

感染対策に効果を発揮した。

クラスターの分析の中から、「三密」という概念が生まれた。

・・・WHOも、日本の成果を受けて、Three Cs(密閉、密集、密接)を推薦した。

クラスター対策と「三密」は、日本の新型コロナ対策の成功例といってよい。

 

==>> 日本での感染者数や死亡者数が他国と比べてかなり少ないということに

     ついては、いわゆるファクターXというものもありそうですが、上記のような

     基本的な日本の対策が大きく寄与していることも認めるべきなのでしょう。

     しかし、デルタ株が急速に拡散している現在は、保健所の人材不足などによって

     クラスター追跡は範囲を縮小していくという報道も出ています。

     

     「東京都、濃厚接触者調査の縮小通知 保健所の負担を軽減」

     https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC153FC0V10C21A8000000/

     「東京都は15日、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う保健所業務の逼迫

を受け、濃厚接触者や感染経路を詳しく調べる「積極的疫学調査」の規模を縮小

する方針を都内の各保健所に通知したと明らかにした。」

 

 

146

 

抜本的対策をとらない政府に対して、専門家会議は3月17日に要望書を出した

3月24日、オリンピック開催延期が決まると、重しがとれたように、政府は遅すぎる

規制に動き出した。  ・・・日本の対応は、習近平の国賓来日とオリンピックのために

すべてが後手にまわっていた。 

 

==>> 上記の専門家会議の要望書は以下のリンクにあります。

     https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610584.pdf

     「3 19 ()には専門家会議の見解を発出する予定であるが、その前に

帰国者および訪日外国人対応を至急開始する必要があると考える。」

 

p147

 

・・・5月中旬から6月にかけては、平穏な日々だった。 1日の新規感染者数は50人

を切り、非常事態宣言が解除され、・・・・有効再生産数(Rt)は、0.5まで下がった

しかし、6月中旬・・・・7月になると、東京の1日あたりの感染者は200人を超え、

7月31日にはついに400人を超えた。・・・・・Rtは、1を超え、2まで上がったが

8月に入ってからは、1近くを上下している。

 

==>> 最近のRtがどうなっているのかですが、下のサイトによれば、

     2021年8月5日のデータとして 1.62 と計算されています。

     https://kennyheadway.hateblo.jp/entry/2021/08/05/201943

     新たな感染者  14,200人

     感染者の累計 967,481人

     人口     12,596万人

     10万人あたり   62.3人

     実効再生産数    1.62

 

こちらのサイトでは、県ごとのRtが計算されています。

2021815日(日)の実効再生産数」

https://uub.jp/cvd/cvd5.html

 

 

p149

 

国立感染研によると、5月と8月では、致死率が、全年齢では7.2%から0.9%に、

70歳以上の高齢者では、25.5%から8.1%に減少している。

 

p150

 

致死率が下がったのは、臨床が新型コロナの経験を積み、的確に治療できるようになった

ことが大きい。 特に、レムデシビルとデキサメタゾンという限られた薬を有効に

使い、死亡者数を減らすことができた。

 

==>> 2020年における致死率の改善が、現場の医師たちの奮闘によって

     数少ない治療薬などによって成遂げられてきたことが書かれています。

     厚労省による2021年8月の下記のサイトでは以下のような状況になって

     います。

 

     「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識」

     https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf

     「重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、2020年6月

以降に診断された人の中では、

・重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、

死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)

となっています。」

 

また、現在使用されている治療薬は以下のように発表されています。

「国内で承認を受けている治療薬として、レムデシビル、デキサメタゾン、

バリシチニブ、ロナプリーブ(2021719日新たに特例承認)

 

 

152

 

日本のコロナは、いくつかの点で欧米諸国とは違っていた。 第一に、コロナ感染者の

増加が非常にゆっくりとしていたこと。 第二に、死亡者が少ないことである。

 

p154

 

外国のメディアは・・・・例えば、ブルームバーグ通信は、ロックダウンも不十分だし、

検査数も少ないのに何故? と率直な疑問を投げかけ、保健所と保健師の努力、健康への

関心の高さをその理由に挙げている。 ワシントンポスト紙も、罰則を伴わない自粛

レベルであるにもかかわらず、日本人はコンセンサスと社会的圧力にしたがったと書いた。

ガーディアン紙は、お辞儀、土足で家に入らないなどの生活習慣を理由に挙げている。

 

p155

 

 

井上栄(元国立感染研)は、日本語の発音が飛沫感染を防ぐのに役立っているという

意見をランセットに発表している。・・・顔の前にティッシュペーパーを置いて、日本語

と英語で、「これはペンです」というときの紙の動きを示す日本のテレビ番組を紹介

している。 動画を見ると、「ペン」と「pen」では、紙の動きが大分違うことが

分る。

 

p156

 

日本人には、遺伝学的、あるいは生物学的な特性があるかもしれない

HLA(ヒト白血球型抗原)遺伝子群は、その組み合わせが個人間、人種間で違う。

HLAと新型コロナ感受性の関係を検討する必要がある。

 

 

p157

 

スペイン、イタリアの重症患者で発見された3番染色体の重症化リスク領域

(49・4キロ塩基)が、ネアンデルタール人とヒト(ホモ・サピエンス)との交配

によって、現在のヒトに受け継がれてきたものであることがわかった。 論文によると、

ネアンデルタール人の遺伝子をもつヒトは、人工呼吸器を使うリスクが3倍高いという。

 

p158

 

ネアンデルタール遺伝子保有者の分布は地域によって大きく異なる。

バングラディシュ、インドなどの南アジアでは30%、ヨーロッパでは8%、アメリカでは

4%、 日本を含む東アジアでは非常に少ない。 アフリカには、全く見られない。

 

==>> ここではいわゆるファクターXが何であるかについて、可能性のあるものが

     いくつか書かれています。もちろんBCGもその一つです。

     また、日本人が潔癖症とも言えるほどに綺麗好きであることやマスクを使う

ことにあまり抵抗感を持っていないのも各国のメディアが不思議なこととして

報道する理由なのでしょう。

     このファクターXについては、インターネット上でもいろんな説が飛び交って

     いますので、そのひとつを下にリンクします。

 

     「日本でコロナ死者が少ない理由「ファクターX」の諸説を徹底検証」

     https://diamond.jp/articles/-/244544

     「最初に断っておくが、評価が高いものでも、あくまでも現状で推測できるの

は「相関関係」のみ。つまりは「傾向が見られる」程度のことであり、実際に

どのようなメカニズムでコロナ感染や重症化を予防するかという、「因果関係」

についてのデータが出されているものは、今のところないということを強調

しておく。・・・確実なのは手洗い、マスク、3密回避のみ・・・・」

 

 

p159

 

日本はコロナにどのように対応したのか。 司令塔もないまま、硬直化した行政にしばられ、

PCR検査に反対し、中途半端に行動を規制し、それでも感染者数、死亡者数が最小限に

収まったのだから、官邸スタッフがいみじくも言ったように、「泥縄だったけれど結果

オーライだった」としかいいようがない。

 

p160

 

「日本モデル」とは何か。 民間臨調の報告書は、「日本モデル」について次のように

定義している。

「法的な強制力を伴う行動制限措置を採らず、クラスター対策による個別症例追跡と

罰則を伴わない自粛要請と休業要請を中心とした行動変容策の組み合わせにより、

感染拡大の抑止と経済ダメージ限定の両立を目指した日本政府のアプローチ」

 

==>> 時々、民間臨調という言葉が出てきますので、ここでチェックしておきます。

     

     「一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」

     https://apinitiative.org/project/covid19/

     「一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)を20177

に発足させました。APIは、アジア太平洋の平和と繁栄を追求し、この地域に

自由で開かれた国際秩序を構築するビジョンを描くことを目的とするフォーラ

ムであり、シンクタンクです。」

 

     「「新型コロナ対応・民間臨時調査会」(小林喜光委員長=コロナ民間臨調)は、

日本の新型コロナウイルス感染症に対する対応を検証するために、一般財団

法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)が20207月に発足さ

せたプロジェクトです。日本政府の取り組みを中心に検証してきました。」

「委員会の指導の下、ワーキング・グループメンバーが安倍晋三首相(当時)、

菅義偉官房長官(当時)、加藤勝信厚生労働相(当時)、西村康稔新型コロナ

ウイルス感染症対策担当相、萩生田光一文部科学相はじめ政府の責任者など

83名を対象に延べ101回のヒアリングとインタビューを実施、原稿を執筆、

報告書を作成しました。」

 

・・・さて、「日本モデル」なんですが、

定義に書いてある「クラスター対策による個別症例追跡と罰則を伴わない

自粛要請と休業要請」については、上にも出てきた「クラスター追跡」が

デルタ株での感染者急増によって保健所の人手不足のため縮小せざるを

得ない状況にあり、また、自粛要請や休業要請についても、いわゆる「自粛

疲れ」とか緊急事態宣言への慣れなどで緩みがちであり、「休業要請」に

関しては、給付金の支給に時間が掛かるなどもあって「もう無理だ、倒産する」

との悲鳴があがっていますので、後手後手になっている感は否めません。

 

p161

 

韓国と台湾は、驚くほどすばやく対応して。 

台湾は、武漢当局が原因不明の肺炎発生を発表したその日(2019年12月31日)の

うちに対策を開始し、1週間のうちにすべて整えた

韓国は、1月20日、最初の感染者が武漢から入国してから1週間後には、PCR検査

キットの開発と大量生産を医療メーカーに要請し、2週間後には1日あたり10万キット

を生産した。 それによりドライブスルーやウォークスルー検査など独創的な検査体制が

可能になった。検査をバックアップする病院体制もすでに整備されていた。

日本の初期対応は、韓国、台湾と比べると明らかに遅かった。 スピード感がない日本の

対応は、今日まで続いている。

 

==>> この本は2020年12月に発行されているんですが、今現在2021年8月

     現在においても、私の感じでは「スピード感」は今もないなと思います。

     日本政府からは、なにかにつけ「スピード感」という言葉が出てくるのですが、

     私自身がその「スピード」を感じたことはあまりありません。

     毎度思うのは、「何月何日までにやります」という具体的な言葉が出てこない

     のが気になります。

     また、ITがらみの仕組みが、例えばコロナ接触確認アプリCOCOAのような

ものが、あれはどうなってしまったのかなという感じで、機能していないように

見えます。おそらくITの遅れが、韓国や台湾に後れをとった理由のひとつ

なのではないかと感じます。

ちなみに、平井デジタル改革担当大臣はこのように語っています。

(2021年2月9日付けのテレビニュース動画)

https://www.youtube.com/watch?v=0XgV6b4_dms&t=12s

 

こんなところで負けるなんて悲しいですねえ。

 

 

 

p162

 

アメリカをはじめ、世界の主要国には、国民の健康を担う司令塔であるCDCが

あるのだが、日本にはない。

 

p163

 

6月24日、コロナ担当の西村経済担当大臣は、突然、専門家会議の「廃止」を発表

した(後に「廃止」発言を訂正)。 あれほど献身的に努力した専門家に対する尊敬も

ないような発表にわれわれは唖然とした。 

 

それに代わってできたのが、「新型コロナウイルス感染症対策分科会」であった。 分科会は、尾身茂会長のもとに、経済専門家、知事、報道関係者らが加わった。しかし、感染症の数理分析の西浦博の名はなかった

専門家という専門知識と経験に対する評価を込めた組織名から、分科会という底辺

組織名になったのである。 分担事項だけをやればよい、決めるのは官僚であり政治家

であることをあからさまに示している。

 

・・・尾身分科会会長をはじめ、専門家たちは驚くほど物分かりが良くなり、政府の

方針にお墨付きを与える立場に甘んじてしまった。

 

==>> 日本版CDCの話が出ていたのに、その逆の「降格」の分科会とされてしまった

     専門家会議。

     参考までにアメリカのCDCがどんな組織なのかをチェックしてみたら、

     WIKIPEDIAには以下のように書いてありました。

 

     「アメリカ疾病予防管理センター

職員数

本部 約7,000

支部 約8,500

職種:医師(感染症専門医)、歯科医師、インフェクションコントロールドク

ター、薬剤師(感染制御専門薬剤師)、獣医師、看護師(感染症対策看護師)、

臨床検査技師(感染制御認定臨床微生物検査技師)、診療放射線技師、臨床工学

技士、歯科衛生士(感染管理歯科衛生士(感染制御歯科衛生士))、滅菌技士

(第一種・第二種)、歯科技工士、農学者、生化学者、遺伝子学者、病理学者、

法医学者、疫学者、気象学者、統計学者、理学者、微生物学者、細菌学者、事務

職、プログラマ、官僚、軍人など多種多様」

 

・・・尾身さんの分科会にスタッフが何人いるのか情報がないんですが、

これを見たら・・・・何を言っても虚しくなるだけでしょうかね。

 

     ちなみに、7月3日に廃止された「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」

     については、こちらでどうぞ:

     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E5%AF%BE%E7%AD%96%E5%B0%82%E9%96%80%E5%AE%B6%E4%BC%9A%E8%AD%B0

 

 

p164

 

7月になり感染が急速に増えているのにもかかわらず、人の移動、集まりを認める方針

がつぎつぎに出された。 その最たる施策が1兆7000臆円の巨額の予算を組んだ

Go Toキャンペーンである。かくして、専門家たちのお墨付きを得た GoToキャンペーン

は、国民の心配をよそに、東京を外して7月22日にスタートした。

 

われわれは、専門家としての見識ある説明を求めているのだ。 専門家が、正確に理解

できるよう現状を語り、その上で、政治家が誠意をもって説得力ある言葉で対策を

語る。 政治家と科学者の間の信頼と協力がなければ、パンデミックの難局は乗り切れ

ない。

 

==>> 私は、GoToキャンペーンは不要であったと考えています。

     お金をもらわなくたって、緊急事態宣言みたいなものが解除されれば

     うずうずしている国民はどっと旅行に行きますよ。

     私もそういう国民のひとりです。

     それに、そんな財源があるんなら、営業自粛を迫られるお店や会社や

     失業などで生活ができなくなった人たちへの給付金が先でしょう。

     政府な何を考えているんだと、日和見な私でも強く思いますよ。

 

     ところで、この件については、分科会の尾身さんと内閣の間にはかなり

     ゴタゴタがあるようです。

     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E5%AF%BE%E7%AD%96%E5%88%86%E7%A7%91%E4%BC%9A

     「内閣総理大臣の菅義偉は、移動では感染しないと分科会から提言を受けて

いると主張し、Go To キャンペーンの一環である「Go To トラベル」の正当性

を強調していた。しかし、分科会長の尾身茂は「分科会ではそういった趣旨の

提言はしていません。私自身も、人の移動で感染しないということは一言も

言っておりません」と全面的に否定している。さらに、尾身はGo To トラベル

開始前から「止めた方がいい」と訴えていたが、内閣は意見に耳を貸すどころか、

Go To トラベルを前倒しして開始してしまったと指摘している。

 

・・・まさに CDCを作るどころか、降格された分科会の残念な現状です。

 

p167

 

特措法により、臨時の医療施設も都道府県知事の判断でできるようになった。医療法の

病院開設の規定を超えて、軽い症状の感染者を収容するためのホテルの借り上げなど

可能になった。 この規定により新型コロナ対策が進んだ。

 

==>> 特措法で「ホテルの借り上げ」などが可能になったというのは、

     こちらのサイトで見ると、以下の部分ではないかと見えます。

 

     「新型コロナ特措法とはどんな法律?」

     https://best-legal.jp/new-corona-special-measures-law-20243/

     「特措法においては、緊急事態宣言が発令された場合には、以下の3つの措置に

ついて、行政機関の権限が強化されることが定められています。

― 蔓延の防止に関する措置

― 医療等の提供体制の確保に関する措置

― 国民生活及び国民経済の安定に関する措置」

「緊急事態宣言が発令された場合には、国や都道府県知事には、適切かつ十分

な医療を確保するために必要な措置を講じる義務(特措法47条・48条)が

あるだけでなく、臨時医療施設を設置するために、民間の土地・建物などを占有

する権限が認められています(特措法49条)。」

 

・・・ニュースでは東京以外はなかなか目にすることがないのですが、

2021年8月13日の数字を見ると以下のような状況です。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210813/k10013199211000.html

都内の自宅療養者数21723人 過去最多を更新

東京都内で新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養している人は13日時点で

21723人になり、過去最多を更新しました。

12日に初めて2万人を超えて2726人でしたが、さらに1000人近く増え

ました。

1か月前の先月13日の12.2倍で、急増しています。」

 

・・・このような状況の中で、自宅療養というより自宅待機の人たちは、

特に単身者は、保健所に連絡することすら非常に困難であると思います。

是非ともホテルなどの借り上げを進めて、全員がせめて臨時の医療施設に

入れるようにして欲しいものです。

     すでに、既存の病院などは、一般の手術などができなくなってきているとの

     報道もあります。

     出来ることなら、国が主導して、自衛隊も視野に入れて、コロナ対応の

     治療センターを作り、そこに都道府県をこえて、軽症者以上を治療できる

     医療スタッフを集中できないものかと思います。

     緊急事態が災害級の非常事態になるのであればなおさらです。

 

 

p169

 

われわれは、緊急事態宣言によって、ずいぶん不便な生活を強いられ、我慢したと思って

いるが、世界と比べると、はるかにゆるく、厳しさに欠けていたことが、オックスフォード

大学の「データで見るわれわれの世界」により明らかになった。

・・・われわれは厳しい対策だと思っていたが、日本は調査214カ国中下から

5番目の47.2点であった。一方、ヨーロッパのほとんどの国は、80点以上の

厳しい政策を続けていた。 例外は、ロックダウン政策をとらなかったスウェーデン

である。 日本とほぼ同じ46.3であった。

 

==>> この調査は、三つの政策、封じ込め政策、経済政策、健康政策によって

     評価したものになっています。

     スウェーデンの集団免疫を獲得するためにほとんどなにも制約しないと

     いわれたニュースを私も注意して見ていましたが、それが日本とほぼ

     同じ点数であったとは驚きました。

 

     ちなみに、私が過去15年間住んできたフィリピンでは、2020年3月

     中旬に始まったロックダウンが全土で今も続いています。

     そのロックダウンは、60歳以上は外出禁止、各家庭から1名だけが

     買い物などの為に外出許可証をもらって外出可、日本でいう町内の

     単位での通行チェック、町会の中で感染者が出ると町会単位での

     さらに厳しいロックダウン、酒類や煙草などの販売停止、などなど。

     私は先が見えないロックダウンに、早々見切りをつけて、一カ月後には

     日本に一時帰国しました。

     既に、公共交通機関は全面ストップしていましたので、市役所の外国人向け

     窓口に連絡して、市役所が手配したバンでマニラ空港に向かいました。

     空港はもちろんガラガラ状態でした。

 

 

== その4 に続きます ==

 黒木登志夫著「新型コロナの科学」を読む ― 4  想定外、危なかった病院再編、ろくでもない男たち、 女性リーダーのスピーチ、スウェーデン (sasetamotsubaguio.blogspot.com)


 

 

 

==============================

 

コメント

このブログの人気の投稿

ホテルでクレーマーになってしまう私 草津温泉と伊香保温泉・湯治旅

埼玉県・芝川サイクリングコース、荒川・芝川水門から大宮公園・氷川神社までの橋をすべて?撮影してみた

2023年を 自作の狂歌で 振り返ってみる ー 妻の病気とフィリピン・バギオからの帰国