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斎藤成也著「核DNAでたどる日本人の源流」を読む ―2(完)― 国津神=縄文人、天津神=弥生人、 現代日本人は12%縄文人、ヤマト人は混血集団、 三段階渡来モデル、 Y染色体D系統は日本だけ

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斎藤成也著「核 DNA でたどる日本人の源流」を読む  ― 2(完) ―  国津神=縄文人、天津神=弥生人、 現代日本人は12%縄文人、ヤマト人は混血集団、 三段階渡来モデル、  Y 染色体D系統は日本だけ           さて、ここからいよいよ 縄文時代人の古代 DNA 研究 の話に入っていきます。   いろいろと研究内容の難しい話がでてくるのですが、私の理解を越えている部分は どんどんスキップしていきます。 悪しからず。   p091   データが膨大なので、ランダムに一部の配列だけを選んで、それらを調べた結果 である。 バクテリア由来の塩基配列が、どちらの場合も30%を超えているが、これはもともと DNA 抽出に用いた歯が、縄文時代の貝塚に埋められてから3000年経過しているので、 そのあいだに歯に進入したものだと考えられる。 この他カビなどの菌類もはいっていた。 こうして、次世代シークエンサーがたたきだした28億7800万塩基から、ヒトゲノムの 配列1億1500万塩基を選びだすことができた。 比率でいうと、決定された塩基配列のなかの4%弱 しかないが、それでも1億個を 優に超えている。   このようにして選ばれたヒト由来の DNA だが、今度はそれらが本当に縄文人由来なのか、 それとも現代の考古学者や人類学者、あるいは実験をした神澤さん本人由来なのかが 問題となる。   ==>> ここでは、データの膨大さと解析の困難さが述べられています。      区別するための仕分けの段どりの構想やら、地道な分析などの難しさが      見えてきます。     p100   北方中国人(北京の漢族)、南方中国人(中国系シンガポール人)、ベトナム人、ダイ族 (中国雲南省の少数民族)がこの順でななめに分布している一方、 東京の日本人は これら大陸の集団からすこし左上に離れて位置している 。   そして 三貫地縄文人は現代日本人からぐっと離れたところ にある。 別の言葉でいえば、 現代日本人は縄文人と東ユーラシア

斎藤成也著「核DNAでたどる日本人の源流」を読む ―1― ヤポネシア人とは何か  日本人の二重構造に追加されるものとは  縄文人はどこから 弥生人は揚子江から? フィリピンとヤマト人の関係

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斎藤成也著「核 DNA でたどる日本人の源流」を読む ―1― ヤポネシア人とは何か  日本人の二重構造に追加されるものとは  縄文人はどこから 弥生人は揚子江から? フィリピンとヤマト人の関係       この本は、 2016年に放映された NHK サイエンス・ゼロ への反響を受けて 一年がかりで執筆された本だそうです。     こちらに、著者の講演の動画がありましたので、内容的にはほぼ同じかと思います。 遺伝子解析から見た東アジアの民族関係 I 斎藤成也 敎授 ( 国立遺伝学研究所 集団遺伝研究室 ) https://www.youtube.com/watch?v=nb5euntzGa0&t=6s     では、毎度ながら、私は右往左往しながら読んでいきたいと思います。   p007   かつて人種の名前として使われていたモンゴロイドとコーカソイドも、彼らがおもに 住んでいる地域にしたがって、「東ユーラシア人」「西ユーラシア人」とよぶことが、 現在では一般的である。  そもそも、「人種」という言葉も、人間の起源をさぐる 研究分野では、死語となりつつある 。   私は 『日本列島人の歴史』 のなかで 「ヤポネシア人」 とよんだ。 「ヤポ」は 日本を ラテン語ではヤポニアとよぶこ とから、「ネシア」は「ポリネシア」や「ミクロネシア」 というように、島々を意味する この言葉は、長く奄美大島に住んだ作家の島尾敏雄が、 1960年代に提唱したものだ。   ==>> なるほど、科学が進むと昔習った名称もしだいに使われなくなって      いくんですね。 今の教科書にはどのように書かれているんでしょうか。   p008   4万年まえごろから日本列島に住みはじめていたヤポネシア人 、彼らから現在の日本人 まで、 DNA 的にどのようにつながっているのか。さらには、ヤポネシア人が日本列島 に渡来してきた以前の彼らの先祖はどうだったのか。   ==>> 私の場合は、遺伝子解析を民間企業でやってみたところ、