渡辺正峰著「脳の意識、機械の意識」を読む ― 5 情報が意識だ。 脳の回路網をみれば、学習到達度が分る!?     

渡辺正峰著「脳の意識、機械の意識」を読む ― 5 情報が意識だ。 脳の回路網をみれば、学習到達度が分る!?     

 

 

渡辺正峰著「脳の意識、機械の意識」

なぜ人間は感じるのか? 「意識の問題」とは?

人工的に意識は作りだせるのか? ・・・・を読んでいます。

 

 


 

「第5章 意識は情報か、アルゴリズムか」

 

 

p221

 

意識の自然則は、主観と客観を問答無用で結びつけるものだ。 アインシュタインの相対性

理論の根幹にあたる「光速度不変の法則」と同様、提案された意識の自然則が現に成立

するかを問うことはあっても、それがなぜ成立するかを問うことには意味がない。

仮に成立するのであれば、この宇宙はそうなっている、としか言いようのないものだからだ。

 

p222

 

「言ったもん勝ち」の意識の科学の現在の姿は、とても魅力的なものに映る。 多くの

科学分野が、重箱の隅をつつくような殺伐として時代を迎えるなか、意識の科学には

ただの一つとして、確立された自然則が存在しない。 それどころか、その可能性で

しかない仮説に目を向けても、数えるほどしか挙がっていない。

「言ったもん勝ち」が通用するのだとしたら、それは今だ。

 

==>> この「言ったもん勝ち」の文脈で思い出すのは、既に読んだ保江邦夫著の

     「神も物理学」です。ほとんどスピリチュアルな雰囲気なので、私は

     あまり好みではないのですが、面白いと思います。

 

     https://sasetamotsubaguio.blogspot.com/2021/06/blog-post_65.html

     「p17

物理学を離れて形而上学に参入するならば、完全調和のみの真空の状況は

まさに神の世界、あるいは神そのものといってもよい。 今後は特に誤解を生む

可能性の低い場合には基礎理論物理学において「真空」を解明していくときに

それを「神(かみ)」と呼び、また真空が示す様々な性質の幾つかを「神意」や

「愛」あるいは「情緒」などと表すことがある。

p18

そのような表現には抵抗を感じる場合には単に文字どおり「真空の物理学」と

解していただければよいだろう。以下において構築するのは完全調和のみが存在

する真空においていかにして「空間」が生まれ、その空間のなかに宇宙森羅万象

の物理現象が生じてきたかを統一的に論じることができる、湯川秀樹博士の

素領域理論に立脚した「神の物理学」に他ならない。」

 

==>> 私個人の感覚としては、神だ愛だ情緒だなどという言葉が

     物理学の本に混じってくると頭の中が非常に混乱してくるので、

     この本を読んでいくに際しては、すべてを「(完全調和である)

     真空の物理学」と読み替えることにします。

ここまでのイントロを読むと、今までに読んできた様々な

物理学系の本で議論されていた相対論と量子論を統合

新しい理論への期待があったのですが、それがこの湯川秀樹博士

の「素領域理論」かもしれない、あるいは、物理学と形而上学を統合

する理論がもしかしたらこれかもしれないという期待を抱かせます。

 

p223

 

チャーマーズの「情報の二相理論」も、トノーニの「総合情報理論」も、意識の自然則の

客観側の対象として「情報」を採用する。 

両者の違いは、その情報に対して、どこに線引きを行なうかにある。 チャーマーズが

情報一般を客観側の対象にあてるのに対して、トノーニは、統合された情報のみ

あてている。

 

平たく言えば、チャーマーズはあらゆる情報に意識が宿ると主張し、トノーニは統合

された特殊な情報にのみ意識が宿ると主張していることになる。

 

==>> 情報に意識が宿る・・・・ということで考えると、

     例えば、素粒子レベルにも意識があるという汎心論の立場であれば、あらゆる

     情報に宿るということになり、統合された特殊な情報という話であれば

     ある一定以上の生命体ということになるのでしょうか。

     そして、その情報という言葉から連想するのは、まずは遺伝子ということかな

     と思います。

 

     上にリンクした、「神の物理学」だったら、おそらくあらゆる情報に意識が

     宿るということになるのではないかと思います。

 

p226

 

統合情報理論では、情報をバラバラにしか持たないセンサーが、統合された感覚意識体験を

宿すことはないと結論づける

この点に関しては、統合情報理論は、とても説得力がある。 「独立した情報は、統合

された意識を生みえない」との主張は、一切の仮定を必要としない。

 

p230

 

ごく簡単に言えば、ニューロンAとBの同時発火からわかることが、ニューロンAとB

それぞれの発火からわかることの合計よりも大きい場合に、両者のもつ情報が統合される。

 

p235

 

筆者が、意識の自然則の客観側の対象として提案しているのは、情報としてのニューロンの

発火そのものではなく、その情報を処理し、解釈する「神経アルゴリズム」である。

 

p236

 

アルゴリズムとはつまるところ、「計算の手順」である。 

 

・・・同様に、神経アルゴリズムとは「神経処理の手順」である。

そして、数ある神経アルゴリズムの中で、筆者が意識の自然則における客観側の対象

の第一候補として考えるのは、「生成モデル」と呼ばれる神経アルゴリズムである。

 

==>> ここで検討されているトノーニの統合情報理論については、既に読みました。

 

     マルチェッロ・マッスィミーニ/ジュリオ・トノーニ著

「脳の謎に挑む総合情報理論、意識はいつ生まれるのか」

     http://baguio.cocolog-nifty.com/nihongo/2020/11/post-249733.html

     「p111

統合情報理論とは、・・・・意識の謎を解く鍵である。この理論の肝となる事実

は、まさにわれわれの主観的な経験をダイレクトに観察することで得られた。

哲学であれば、さしずめ「現象学」といったところだ。

統合情報理論の基本的な命題は、ある身体システムは、情報を統合する能力が

あれば、意識がある。というものだ。」

 

「p145 

頭蓋から小脳を全摘しても、意識にはなんら影響がない

・・統合情報理論にとって、大きな試金石となる事実だ。」

「p165

この意識の水面下でのサポートは、・・・・・認知にかかわるタスクを行って

いるときや考えごとをしているとき、計画を立てているときにも絶えず続いて

いる。考えのまとまりや連想の多くは、無意識に、自動的に行われる。善くも

悪しくも、われわれのコントロールをすり抜けるのだ。」

 

「p227

統合情報理論は、ごくわずかな原則に基づく。 その原則は、実際の現象例から

得られたものだ。 また理論の測定単位(φ、ファイ)を定め、正確な予測

打ち出している。予測のなかには、解剖学的構造を観察することで、その正しさ

を確認できるものがある。」

 

・・・これを読んでいると、「あらゆる情報に」説よりも納得ができそうな気が

してきます。

 

 

p238

 

映画「マトリックス」では、人々の脳が、仮想現実を生む巨大なコンピューターに繋属

され、感覚入力と運動出力を完全に代行されながら、そのことに気づくこともなく

日常生活を送る姿が描かれている。 夢を見る私たちは、あたかも、自身の脳が生む

マトリックスに自らが接続されているかのようだ。 まさに、脳が創りだした仮想現実

(バーチャル・リアリティ)である。

 

==>> まあ、恐ろしい映画でした。

     「日常生活を送っている」というよりも「栽培されて夢を見ている」という

     状態でしたね。

 

p239

 

フィンランドの哲学者アンティ・レヴォンスオ(1963~)は、覚醒中の意識の

メカニズムを脳の中の仮想現実にたとえている。 

 

・・・覚醒中の脳の仮想現実システムは、感覚入力や身体からのフィードバックをもとに、

環境と同期をとっている。 感覚入力によってアンカリング(錨をおろす)された状態

だと言ってよい。  その仮想現実システムが、睡眠中はその「錨」を失い、現実世界

からかけ離れた夢世界が出現する

 

==>> なるほど~~という感じです。確かに人間の脳は精巧なテレビ受像機と

     言えるでしょうし、それは人間特有の仕方で外界を映し出している

     仮想現実システムだとも言えますね。

     夢をみている状態が「錨」が外界の現実に下りていないと考えれば

     納得できそうです。

 

     一方で、「あらゆる情報に」説も、上で紹介した素領域理論に立脚した

「神の物理学」を使えば、可能なのかもしれないなという気がします。

素領域にあるなんらかの情報が、生物の遺伝子として進化していくのかな

という気がするからです。

 

p241

 

これらの例からわかるのは、世界の隅々まできちんと見えた気になっていても、それが

実際に外界を反映したものであるとは限らないことだ。 外界を直接的にモニターして

いるわけではない。 あくまで脳の仮想現実システムが、目や耳などから得た外界の

断片情報をもとに「それらしく」仮想現実世界を創り上げ、我々に見せているにすぎない。

 

p242

 

事故などで足や腕を失った人が、ありありとその存在を感じ、さらには、自在に

操れるとの症例報告が数多く存在する。 いわゆる「幻肢」だ。

 

p243

 

足や腕などを失う前に、それが麻痺していた期間が長いと、その後の幻肢にも麻痺が

引き継がれてしまうことがある。 麻痺だけならさほど問題はないが、拳を握りこんだまま、

幻の爪が、幻の拳に食い込み、痛みを生じさせるケースがある。幻肢痛と呼ばれる症状で、

多くの患者を苦しませている。

 

==>> ここでは、感覚というものが、必ずしも外界や自分の身体でさえも正しくは

     認識していないことを語っています。

     足を失った人たちが、義足をつけ、脳とのインターフェースを使って、歩行する

     映像などをみることがあります。 このような技術は、ここでいう幻肢の能力

     を利用していると言えそうです。

     麻痺の期間が長くなった人に、そのような技術の利用が可能なのかが気になる

     ところですが。

 

     こちらにそのような技術を使った競技会の記事がありました。

 

     「脳の電気信号でサイバー義肢を動かせ!国際競技大会」

     https://www.rbbtoday.com/article/2018/03/13/158915.html

     「実施された競技は「パワード義手レース」「パワード義足レース」「パワード

外骨格レース」「パワード電動車椅子レース」「機能的電気刺激自転車レース」

「脳コンピュータ・インターフェース・レース」の6種目だった。」

 

     こちらは、大学での研究状況が紹介されています。

     脳と機械を接続する【ブレインテック】

     https://studyu.jp/feature/theme/braintec/

     「手や足を失って義手や義足を装着している人がいます。ブレインテックが実現

したら、脳からの信号によって自由に動かせる義手、義足を使えるようになるで

しょう。」

「文部科学省は「脳科学研究戦略推進プログラム」の一環として、BMIの研究に

取り組んでいます。このプログラムには、大阪大学や慶應義塾大学、電気通信大学、

京都大学、東京工業大学、東京大学、関西医科大学などのメンバーが名を連ねて

います。」

 

244

 

ラマチャンドランの治療例は、脳の身体シミュレータがとても精緻につうられていること

を物語っている。 シミュレータの対象である身体の一部が失われたとき、それがまだ

存在していた時点の特性、たとえば麻痺をそのまま引き継いでしまう。そして、その気に

なれば、それに対してリハビリを施すこともできる

 

==>> おお、素晴らしい。リハビリで麻痺を克服することもできるんですね。

 

p245

 

脳の仮想現実システムは、どのような形で脳の神経回路網に実装されうるだろうか

1990年代初頭に、川人光男(1953~)とデイヴィッド・マンフォード(1937~)

がそれぞれ独立に提案した生成モデルを取り上げる。

 

・・・生成モデルでは、・・・・高次から低次への処理の流れを重視する。 生成モデルの

「生成」は、高次の活動をもとに、低次の活動を出力することを指す。 

 

・・・高次の活動をもとに、低次の活動の「推定値」を出力する、ということだ。

そのうえで、この推定値と感覚入力由来の低次の活動とを比較し、その誤差を算出する。

そして、その誤差を用いて、高次の活動を修正する

 

==>> ここで、初めて知った 川人光男氏の研究をちょっと覗いてみましょう。

     考え方によっては、かなり恐ろしいことが書かれています。

 

     「心や意識の謎、脳科学はここまで近づいた ― 川人光男氏に聞く」

     https://business.nikkei.com/atcl/interview/15/230078/092700104/

     「また、ATRでは、脳の中の情報を読み取りながら、外部環境から何らかの

刺激を与えて、感じていることや記憶していることを好ましい方向に導く研究

にも取り組んでいます。「デコーディッド ニューロフィードバック(DecNef)」

と呼ぶ技術です。子どもを褒めたり叱ったりしながら、しつけるのと同様のこと

を、脳に対して直接行うものです。fMRIを使って脳内の状態をリアルタイムで

測り、好ましい状態になったときに、すかさず被験者が喜ぶ報酬を出します

こうした学習を繰り返すことで、本人が気づかないうちに好ましい脳内の状態

が定着します。」

 

DecNefは、どのようなことに活用できるのでしょうか。

川人:応用分野は極めて広いと思います。そもそも、脳が関係しない職業は

ありません。中でも、これまで科学的なデータに基づく治療ができなかった精神

疾患の医療への応用に期待しています。ATRにはクリニックが併設されており、

そこでは自閉症や薬による改善がみられないうつ病などの患者さんに治療を

試み、DecNefによって症状が改善する結果が得られています。」

「脳内回路のデータを基に診断できるようになれば、当事者の状態を正確かつ

詳細に把握できます。また治療の進め方も大きく変わるでしょう。」

 

学習で鍛えたその瞬間の脳内回路が分かるのであって、さらに学習すれば

その回路は当然変わります。検査結果で受験の合否を決めるのはどうかと思い

ますが、学習の達成度は分かります。」

「現在はその時点に比べると、脳科学で得られる知見が格段に詳細になりま

した。学習による脳内回路の変化が、学習結果とより明確かつ詳細に対応付け

られるようになっています。」

 

・・・精神疾患の治療などにかかわる医療分野については、明るい未来とでも

言えそうなことが期待できそうです。 一方で、教育分野に関わるところに

ついては、「ホモ・デウス」のハラリ氏が暗示している人類の未来が岐路に

あることを思い出させます。

 

 

p265

 

脳がバーチャルな視覚世界を創り出し、それが意識であるとする、レヴァンスオの

「意識の仮想現実メタファー」仮説と深く関係する。 生成過程の途中に出現する

豊かな三次元世界は、脳の中の仮想現実そのものだ。

 

ところで、この仮想現実は視覚世界のみに限られない。 五感および身体感覚、さらには

無意識の意思決定や他人の意図理解など、多層の生成モデルによって高度の模擬される

ことで、我々の意識が形づくられている可能性が高い

 

 

p277

 

つまり、生成モデルの生成誤差が最小化し、矛盾のないまともな三次元仮想視覚世界が

形成されるのを待つからこそ、意識の時間は遅れる、と考えられる。

 

ここで、しれっと「生成誤差の最小化を待つ」と記したが、そのようなことが可能になる

のも、意識の担い手を神経アルゴリスムに求めたからだ。 仮に情報が意識を担うのだと

したら、意識にのぼる情報とそうでない情報とを選別する高度な仕組みが別途必要に

なる。 統合情報理論はその試みの一つであるが、情報としての統合と、ここで見たような、

視覚情報を意識にのぼらせることの適合性を一致させるのは難しいように思う。

 

p278

 

プロ野球の打者がバットを振る際に、もっとも優先されるべきは視覚処理の速さである。

 

・・・なによりも速さが要求される最小限の視覚情報に、生成モデルがもつ、生成誤差

最小化されきれていない視覚情報が使われているのだとすれば、すべての辻褄が合う

 

まずは、時間の待ったが利かない、速さの要求される視覚情報が、意志決定と運動指令

を担うのう部位へと生成モデルから送られる。

 

==>> よく理解できていないんですが、要するに、意識にのぼる情報は遅れて

     後付けで届くんだけど、その前に不十分な処理しかされていない情報が

     無意識のうちに、生成モデルを介して、素早く伝えられるから、プロ野球の打者

     は剛速球のボールが打てるのではないか・・・という感じに思えます。

 

p280

 

視覚であれば、空間のどこか一カ所に存在する線分は、その空間の近傍へと続いている

可能性が高い。聴覚であれば、時間のどこか一点にある波は、そこからの過去と未来へと

続いている可能性が高い。

生成モデルの生成過程に、そのような感覚モダリティごとの特性が反映されていなければ、

その動作目標である、低次脳部位の情報表現の精度の高い再現などかなうべくもない。

 

つまり、感覚モダリティごとの特徴を色濃く反映する生成過程が意識を担っていると

仮定することにより、ごく自然な形で、まったく異なったものとして感じられる

多種多様なクオリアを説明することができる

 

==>> まず、「感覚モダリティ」とはなにかをチェックしましょう。

     https://imidas.jp/genre/detail/L-104-0071.html

     「感覚モダリティ

感覚様相のこと。一般的に五感といわれる、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚

(触覚、痛覚、温覚、冷覚)に加え、運動感覚、平衡感覚、内部感覚がある。

また、感覚受容器を特定できない感覚を「第六感」と呼ぶことがある。幻覚も

感覚モダリティの種類により、幻視、幻聴、幻臭、体幻感覚などに分類される。

睡眠中にみる夢にも、その人が日常よく使用する感覚モダリティが現れやすい。」

 

     これを元に、上の文章を読んでみると、感覚モダリティ(五感など)の種類別

     にその特別な生成過程があって、その過程の中で意識が生まれるということ

     かもしれません。そうであれば、多種多様な「今、ここ、質感のある」クオリア

     を説明できると言っているように解釈します。

 

p281

 

一方で、意識の担い手を神経アルゴリズムと考えれば、脳の中のどの情報が意識にのぼり、

どの情報が意識にのぼらないかは、アルゴリズムの中での位置づけ次第ということになる。

 

p282

 

「非線形」とは、ごく簡単に言えば1+1=2が成立しないことだ。 閾値作用によって、

1+1+1が0(非発火)、1+1+1+1が1(発火)になるようなニューロンは、

まさに非線形素子の典型である。 つまり、非線形素子が複雑に絡み合う脳には、

「決定論カオス」が生じている可能性が高い

 

・・・神経回路網の中で生じたわずかな摂動(もとの発火パターンからのズレ)が、

「非線形」の効果によっていつまでも消え入ることなく残り続け、やがて、その影響が

システム全体を覆いつくすような状態が生じる。・・・「因果性の網」によって包まれた

ような状態が生じる。

 

p283

 

第一次視覚野においてさえ、眼球由来の脳活動はわずか10%で、残り90%は脳のゆらぎ

成分であるとの試算もあるくらいだ。 自身のfMRIの研究でも、このゆらぎ成分が、

左右の脳半球の間で共有されていることを示す結果を得ている。

 

筆者は、神経回路網に実装される神経アルゴリズムが、決定論カオスの因果性の網に

包まれることによって、一体化するのではないかと考えている

 

==>> う~~ん、なんだかよく分かりませんが、ニューロンそれぞれが発火する

     ための閾値がいろいろあって、そこで「ズレ」が起きて「決定論カオス」

     つまり、白黒ハッキリさせることが混沌として、それが因果論的に

     あとのプロセスにも影響を与えて、全体的にぼんやりとした一体化を

     起こすってことなんでしょうか・・・・・

     それを「脳のゆらぎ」と呼んでいるのか??

     まあ、つまりは、人間の脳は、かなりアバウトに情報を処理しているって

     ことになりますか?

     少なくとも、私の脳は、その典型みたいなもので、いい加減です。

     なので、この本の理解も、かなりアバウトになっています。あしからず。

 

p285

 

何と言っても、「人工意識の機械・脳半球接続テスト」に合格したことは頼もしい。

いじょうを踏まえて、筆者は神経アルゴリズム、とりわけ生成モデルが「意識の自然則」

の客観側の対象であるとの考えにいたった。

 

最後に、チャーマーズ風に「生成モデルの二相理論」を、「生成モデルは、生成過程など

を通して情報処理を進めるといった客観的な側面と、その生成過程に沿った感覚意識体験

を発生させるといった主観的な側面を併せもつ」とでもまとめておきたい。

 

==>> う~~ん。 著者は流石に、最後のまとめに到達しているんですが、

     私の脳はカオス状態になっているので、ぼんやりと理解した気になっている

     程度です。

     いずれにせよ、客観と主観の両方を満足させる理論で、クオリアを説明できて

     いるということのようですので、そこは一応満足しました。

     少なくとも、スピリチュアルに逃げ込まない話が、私には嬉しい理論です。

 

では、次回は「終章  脳の意識と機械の意識」を読んでみます。

 

 

=== 次回その6 に続きます ===

 渡辺正峰著「脳の意識、機械の意識」を読む ― 6(完) 自動運転車には意識がある? 記憶の転送はぜったい無理 (sasetamotsubaguio.blogspot.com)

 

 

 

 

 

 

 

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