橋爪x大澤x宮台 「おどろきの中国」 を読む ―1― 社会学者でも難しい中国

橋爪x大澤x宮台 「おどろきの中国」 を読む ―1― 社会学者でも難しい中国

 

 

この本を読んでみようと思った動機は、やじうま根性でした。

 

それは、こちらのニュース記事を見たからでした。

(実際は、どこかのWEBニュースのサイトでしたが。)

 

犯人の家から、父親が購入して犯人に渡した被害者・宮台氏の共著「おどろきの中国」が

見つかったという記事でした。

https://matomedane.jp/page/124745

 

 


 

そういう下世話な動機で読み始めたのですが、これはまさに私にとっての「おどろき」

なりました。

 

つまり、私はぼ~~っと生きてきて、中国のことが何一つ分かっていなかったという

ことに気が付いたということです。

 

さて、この本は日本の著名な社会学者三人による鼎談になっています。

(恥ずかしながら鼎談の読み方を知りませんでした。「ていだん」だそうです。)

 

 


ここにある通り、三人すべて東京大学大学院社会学研究科を出ています。

大澤真幸氏と宮台真司氏はほぼ同年で、橋爪大三郎氏はひとまわり上の先輩で、

特に中国語に関しては中国人と間違われるほどの達人だそうです。

鼎談は、若い二人の社会学者が、先輩に意見を乞うという感じになっています。

 

この橋爪氏は元全共闘でクリスチャンという興味を引かれる人物なんですが、

こちらの著作のリストをみると、宗教系の著作も多く、読んでみたくなりました。

https://booklog.jp/author/%E6%A9%8B%E7%88%AA%E5%A4%A7%E4%B8%89%E9%83%8E

 

私の全体的な読後感は、まさに「驚き」の連続で、いままでやってきたように

私が気になった部分を抜き書きしていては、ほとんどのページから抜き書きを

しなくてはならないほどになってしまうので、皆さんにはこの本を実際に

手に取って読んでいただく方が早いなと思うくらいです。

 

 

ですが、この読書のブログは、私の外付けメモリーという、高齢者としての意味も

ありますので、可能なかぎり抜き書きを減らして書いてみたいと思います。

 

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まず「まえがき」に次ぎのように書いてあります。

 

p003

 

日本人にとっては、西洋もときに理解するのが困難だが、それは、西洋が日本から

遠く隔たっていて、その文化的な影響を本格的に受けるようになってから日が浅い

ことが大きな原因になっている。 しかし、中国は、日本のすぐ隣にあって、

歴史的にも深いつながりがあるのに、現在の日本人にとって、西洋以上に謎である。

 

==>> これは確かにそうだと思います。

     一応、漢字は使っているし、高校生時代には漢詩・漢文も習ったし、

     いろんな古典の物語やそれを映像にしたものも見て育ってきているし、

     中国に観光にいって西安や敦煌の遺跡なども見てきてはいるのですが、

     ほぼ昔の中国のごく一部を学んだにすぎません。

     現代の中国に関しては、主に政治体制の違いからくるのでしょうが、

     まったくの謎です。

 

     仏教関連の本で読んだのですが、昔はお寺に中国人の僧侶がいて、

     お寺の中では中国語が使われ、ほとんど大使館みたいな役割まで

     あったそうです。

 

     この本でも、名だたる三人の社会学者が、中国は理解することが

     なかなか難しいと書いていますので、私のような市井の人間に分かる

     道理がありません。

 

 

p004

 

簡単に言えば、社会学を含む社会科学は、無意識のうちに西洋仕様になっているので

ある。 したがって、中国について論ずることは、社会学の理論を反省し、批判する

ことにもなる。 社会学者三人が、中国をめぐって討論したのは、このためである。

 

==>> ここにこの鼎談の理由が述べられています。

     そもそも、中国を理解するための前提が、西側の枠組みになっているから

     中国のあるがままの姿を理解することが出来ないのだという話です。

     その意味においては、明治維新より前の日本人の方が、より正しく

     中国を認識していたということなのでしょう。

 

 

ここで、6ページ目に非常に面白そうな本が紹介されています。

「文化大革命の真実」です。

詳しくはこちらのサイトでチェックしてみてください。

ちょっと高いので、中古本を私も買いたいと思っているところです。

 

https://www.amazon.co.jp/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E5%A4%A9%E6%B4%A5%E5%A4%A7%E5%8B%95%E4%B9%B1-%E7%8E%8B-%E8%BC%9D/dp/4623065073

 

読者コメントに以下のような記述があります:

「著者は1930年に天津市に生まれ、解放前は共産党の地下活動に参加し、解放後は天津市

党委員会で行政を担当した。優れた行政能力と温和な人格のおかげか、文化大革命中も、

文革後も職務を継続し、かつ持ち前の几帳面な性格から克明な記録を残していた。」

 

今の中国共産党は、文革時代に戻るような動きがあるとの記事をどこかで

読んだことがあります。 その意味では、この本は今後の中国を予測する上で

重要な本になるのかもしれません。

 

 

では、次回はいよいよ本文を読んでいきましょう。

 

 


 

==== 次回その2 に続きます ====

 橋爪x大澤x宮台 「おどろきの中国」 を読む ―2― 共産党は大嫌いだが、中国は好きであるという留学生 (sasetamotsubaguio.blogspot.com)





 

 

 

 

 

 

 

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