ムーギー・キム著「そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか」を読む ―4― 韓国人は反日などやっている暇はない、異様な「悪口文化」
ムーギー・キム著「そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか」を読む ―4― 韓国人は反日などやっている暇はない、異様な「悪口文化」
ムーギー・キム著「そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか」
「第4章 ここがヘンだよ韓国の怒り方、東西南北分断国家・韓国の反省点とは?」
を読んでいきます。
p256
韓国側のごく一部の人が日本に住んでいる人を一括りにして、「日本は、謝罪せよ!」
などと国旗を引き裂いて批判し、結果的に日本国内での敵対者を増やし、自爆して
いくシーンを、私は何度も目撃してきた。
韓国は、一部の激しいパフォーマンスが、国全体の印象をひどく歪めてしまっている
ことに大きな問題意識を抱くべきだろう。
p257
おまけに、韓国は伝統的に「悪口文化」が異様に発達している。
そして韓国語の悪口は表現がきつく、語彙も豊富なので、韓国人同士では慣れたような
悪口でも、日本人にとっては腹が立って仕方のない表現が多い。
==>> 在日3世の著者が「悪口文化」が酷過ぎると言っているくらいですから、
さぞかし罵詈雑言なんでしょうね。日本人はそれはそういうものだと
思っておかなきゃいけないわけですね。
p262
ちなみに、私は日本の学校に韓国名で通っていたが、私の体が格段に大きいという
特殊事情があったものの、差別でいじめられたことなど、ただの一度もなかった。
これは、よくある「傷つかないための強がり」ではない。
私は中学で身長184センチ、体重90キロに達しており・・・・
中学、高校と比較的品のよい京都の中高一貫校に通わせてもらっていたことも関係
しているかもしれない。
==>> なるほど、そうだったのか。
やはり品の良い学校では露骨な差別はないってことでしょうかねえ。
逆に言えば、もしあなたの身の回りで露骨な差別があるとするならば、
あなた自身が品の悪い環境にいるってことになりますかね。
p266
歴史認識問題で、韓国が日本全体を批判するのは的外れ
私が最も韓国人に理解してほしいのが、
「日本国内には、日本政府の歴史認識や政策に反対している人もものすごく多いの
だから、日本人をひとまとめにして批判するのを、後生だからやめてください」
ということである。
p268
実際は、日本国内の無数の市民団体や学校の先生方が、時の政府の歴史修正主義に
猛反対して精一杯活動していた。
しかし、そういった立場の違いを区別することなく、「日本は反省し、謝罪せよ!」
と日本全体を批判したため、日本国内での韓国への反感を高め、結果的に「つくる会」
を助ける結果にもなっていたのだ。
==>> ここでは「新しい歴史教科書をつくる会」の話なんですが、
そういう団体に対する反発を日本全体に見境なくやるもんだから、
的外れな批判になってしまって、かえって逆効果になっているという
話です。
p269
それに対する日本からの反発は、韓国に住んでいる韓国人に被害が及ぶわけではなく、
たいてい在日コリアンに向かう。
これは、将軍様がミサイルを飛ばすたびに(なぜかやたらと日本の選挙直前に
ミサイルを飛ばし、結果的に右派を利することが非常に多い)、金正恩氏や労働党の
意思決定に何ら影響を与えられない朝鮮学校の女学生の制服が、電車の中でハサミで
切り裂かれるのと同様の構造である。
日本全体を批判して、日本全体の反韓度を爆上げするという自爆サイクルを、
いい加減に断ってほしいものである。
==>> ここでは、日本国内での「的外れ」な話をしているわけですが、
日韓両国ともに自爆効果のある政治的言動が多いようです。
まあ、しかし、そういうのをやる人達はごく一部とはいえ、確信犯なの
でしょうから、なかなか収まらないのでしょう。
私自身は、過去15年ほどフィリピンに住んできたのですが、そのような
露骨な日比間の政治的イザコザがないので安心していられます。
ただし、戦争時代の日本軍の残虐行為を記憶している人たちは少なからず
いますので、感情的なもつれが発生するような場合には、それが顔を出す
ことがあることも心に留めておく必要があります。
表面的には、「フィリピン人はキリスト教徒だから許すのだ」という建前は
あるようなのですが・・・・・
p271
まず残念なことに、韓国には日韓両国でビジネスをしなければならない人に、無意味に
「踏み絵」を迫る人がたまにいらっしゃる。
たとえば、私が日本と韓国の同僚やお客さんとともに韓国クラブに行った、
・・・その酒の席でお姉さんが、
「ああ、チェイルキョッポ(在日コリアン)なので。 ということは、聞きたいんだけど、
独島(竹島の韓国名)はどこの国のもの?」といった具合である。
いや、そんなこと私に聞いてどうしようというのか!
==>> さすがですね。さぞかし高級クラブなんでしょうね。お姉さんの意識が
高いですねえ。
日本の銀座辺りの高級クラブのお姉さんたちはどうなんでしょうかね?
まず、そういう野暮なことは聞かないでしょうけど・・・・
p275
内集団バイアスと承認欲求が強い人が、隣国批判を「愛国行動」と短絡的にフレーミング
するのは、どの国でも存在する嘆かわしい人間の性だ。
そして、こういう人たちは結果的に、自国の国益を毀損し、自爆していることが多いので
ある。
==>> 内集団バイアスというのは、こちらのサイトの解説によれば、
https://daily-psychology.hatenablog.com/entry/ingroup-bias
「内集団バイアスの本質は、あくまでも「仲間へのひいき」です。しかし、
グループ内の内集団バイアスが強化されていくと、内集団ひいきー>
外のグループを蔑視・敵視―>グループ間抗争へと発展していく場合も
あります。」
「例えば、徴用工問題で、韓国の裁判所から日本の三菱重工の資産差し押さえ
命令が出たときは、日本人の韓国への敵対意識はとても強まったのではないか
と推測されます。このように、自分のグループの利益が、他のグループに脅か
されそうになると、それを守るために内集団バイアスが強まるのです。」
とのことです。
・・・つまり、このような解説のサイトで例として出てくるほどに
日韓間でのトラブルは典型的であるってことですね。
p277
「ここがヘンだよ日本人」に私がはじめて出たのが「日韓関係特集」だったのだが、
そこでゲスト出演していた「そのまんま東」氏(後の東国原英夫宮崎県知事)が、
「いつまで謝らせたら気が済むんだ!」と言っていた・・・・
p279
大使館前で日本の国旗にバツ印を付けてデモをしている数人をテレビの画面で見る
だけで、日本からすれば韓国人全体が怒り狂いながら謝罪を求め恵いるような印象を
受けてしまうのである。
==>> そのまんま東氏といえば、つい先日宮崎県知事選に再出馬するという話が
突然でたようですが、自民党県連は塩対応らしいです。
まあ、元県知事のような人ですら、上記のような発言になるわけですから、
一般の日本人がそう思ってもムベなるかなということでしょうか。
ところで、前回書いた同じく「ここヘン」のゾマホン氏ですが、
「二代目そのまんま東」となったことはご存知でしたか?
ちょっと古い情報ですが・・・・
https://www.kouenirai.com/profile/2862/
https://news.livedoor.com/article/detail/4050001/
「なんと、二代目そのまんま東はベナン共和国大統領特別顧問になっており、
いまだに母国のための支援を日本で続けているようなのだ。また、おもな活動と
しては講演会をするなど、世のため人のために尽くしているようす。」
Wikipediaによれば、最新情報としては:
「2016年 駐日大使離任
2019年 ベナンの国民議会選挙への出馬予定であったが、投票日の3週間前に
所属していた政党「新興ベナンのための力」(FCBE、現職の大統領タロンに反対
の立場)が候補者を擁立できなくさせられた。」
・・・ということだそうです。
ちなみに、私は、このゾマホン氏がベナン共和国に作ったいわゆる「たけし日本
語学校」の初代日本語教師でした。随分昔の話ですが・・・
p281
大ヒット映画「鬼滅の刃」の主人公のピアスを旭日旗と同じデザインだといって
韓国国内での放映前に修正させたり、2021年の東京五輪でとある競技のコース
に旭日旗に似たデザインがあると批判したりと、傍から見たら笑ってしまうような
指摘で、日本を下手に刺激する人が存在するのだ。
==>> この件については、本当にバカバカしくて私も笑ってしまいます。
太陽のデザインにいちいち因縁をつけていたら、世界中を巡っても
きりが無いだろうに・・・・
p288
この「国際合意を守れ」という批判・・・・
この認識の違いは、韓国ではおかしなルールは政権が代わればひっくり返るのに
対し、日本では仮におかしくても、昔ながらのルールや建前がいかに重視されるのかが、
韓国側で実感されていないことが一因である。
そして、よく指摘されることではあるが、規律を守ることを最重視する人は、その規律
や命令が道徳的・正義の観点で正しいのかを考えるより、時に残酷なまでにプログラム
されたとおりに行動してしまう。
==>> ここはいわば長期自民党体制で連続性のある日本と、二大政党制で
コロコロと政策が変化する韓国という二国の組み合わせの不幸もある
ようです。
日本側の反省点があるとすれば、後段にあるようなルール偏重ということが
学校内の変なルールひとつをとっても金科玉条のごとく議論さえできない
ということが、日本の政治や法律についてもあるのだろうと思います。
そして、その変えられない政治が老害となって、経済的にも日本が沈没
してしまっているようにも見えます。
p292
日本では「謎のルール」がたくさんつくられるが、「解釈を変える」「建前をつくる」
「自己責任で片づける」という裏技で、時には憲法すら実質的に変えてしまっていたり
もする。
==>> この部分は、非常にオカシイ話だと昔っから感じています。
解釈を変えるぐらいなら、しっかりと法律自体を変えて、解釈の余地が
ないように改正すべきだと私は思います。
おそらく、国会ですら、議論ができない人達の集まりなんでしょう。
哀しいことです。 恐らく、戦前と同じ体質が日本というシステムには
沁みついているんでしょうね。
p296
この外交政策の大きな変化は、じつは二大政党制が実現している国では、珍しいこと
ではない。 アメリカでも民主党から共和党に代われば、その前の政権が結んだ
多くの国際合意が反故にされてきた。
==>> これは、トランプ政権になってからの近年の動きを見ると明々白々で
あろうと思いますし、その後バイデン政権になってからその一部が
元に戻されているのを見ていると、日本はどうしたらいいのかと
右往左往しそうです。
特に、近年のアメリカ政治は、政治的思想のぶつかり合いというよりも
完全に分断されて感情的な激突状態になっていますから、韓国の政治的
変化などよりは、日本への影響は根本的な部分にまで及ぶものになりそう
だなと思います。
まともな議論ができないアメリカに変わっているようですので、根が深く
問題は深刻だと感じます。
おそらく、亡くなった安部元首相が、トランプ大統領に露骨なヨイショを
したのも、日米間の関係の極端な変化を抑制する意図もあったのでは
ないかと素人ながら推測します。
p297
韓国では「反日」とは比べものにならないくらい、国内の左右対立が激しいのだ。
韓国の保守派は日本より文在寅前大統領を憎んでいたし、同じく韓国のリベラル派は、
日本より朴正煕と全斗煥を憎悪する。
韓国の右派学者が制作して大いに日本でも売れた「反日種族主義」(李栄薫編著、
文芸春秋)も、歴史の真実というより、左派政権憎しで売れた側面も強い本である。
p299
しかも、よく見ると左右対立どころではなく、革新派、保守派ともに内部闘争が激しく、
さらには世代間対立、性別対立なども激化しており、四方八方に分裂しているのである。
==>> この辺りを読んでいると、韓国人は日本のことなんかまともに考えている
暇などなさそうです。おそらく日本人がイライラするようなデモをやって
日本のテレビニュースに出演するような少数の人たちは余程余裕がある人達な
のではないかと思えてきます。
p306
日本でも韓国でも北朝鮮でも、自国に関し思いこまされてきた「世代を超えた集団的
記憶」は、自分や家族のアイデンティティに関わるので、非常に変えずらいことなのだ。
そして「これまでの集団的記憶を変えても大丈夫だ」と、安心できるような配慮も
不可欠となる。
==>> 「自国に関し思いこまされてきた」という意味では、学校時代は教科書しか
読まず、歴史関係も政治関係にもほとんど興味がなく、一般的なメディアしか
情報源として持たずに、ぼお~~っと過ごしてきた私なんぞは正に
「思いこまされて」きた国民の一人であるわけです。
著者はここで、北朝鮮のエリートだった脱北者の例をあげて話をしているの
ですが、北朝鮮の官僚たちは、もし万一南北統一がされたりしたらどうやって
家族の生活を支えていこうかと心配になるというような現実的な不安を
抱いているのだそうです。
そういう点で、「安心できるような配慮」も必要になるということを言いたい
ようです。
例えば、万万が一に、火山の大爆発や大地震・大津波などで日本が壊滅状態に
なったとしたら、どこの国に避難できるのか。 今現在のロシアの侵略による
ウクライナ人の外国への避難という現実を目の当たりにすれば、絵空事では
ないと言えるでしょう。
そのような事態になった時に、散り散りとなった先の国で、集団的記憶を
変えても大丈夫な心情でいられるのか。
過去15年ほどフィリピンで暮らしてきた経験からいえば、おそらく
さらに自分の日本人としてのアイデンティティを深く掘り下げるような
勉強をするのではないかと思います。
では、次回は
「第5章 ここがヘンだよ日本の建前、不思議な議論の3大パターンと4大レトリック」
に入りましょう。
===== 次回その5 に続きます =====
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