噂の噂 ― フィリピンの大学には、なぜ女子大生が圧倒的に多いのか
噂の噂 ― フィリピンの大学には、なぜ女子大生が圧倒的に多いのか
これは、噂の真相を明らかにしようとするものではありません。
あくまでも噂を噂として語るだけの話です。
昨日、バギオ市にあるUC大学で「七夕飾りワークショップ」というのをやりました。
そこで改めて感じたことは、なぜほとんどの大学生が女子大生なのかということでした。
(上記の写真は、七夕飾りワークショップに集まった7学部からおよそ100名の大学生たちです。)
20年ほど前から私にはそのような疑問があったので、その当時タガログ語を教えて
もらっていた同じ大学の先生に尋ねてみたところ、
「女の子の方が男の子よりも真面目に勉強して、仕事もしてくれるので、
家庭にとって、女の子に教育資金を廻す方が家族のためになるからです。」
と言うような説明でした。
そして、私は、そういうモノなんだろうと思い込んでいたのです。
同じ疑問を、今日は、三十代の男性に投げかけてみたところ、非常に面白い答が
返ってきました。
「それは、フィリピンでは、圧倒的に女の子が多いからだよ。
私が小学生の時代には、男女比が7対3ぐらいだった。」
と言うのです。
にわかには信じられない話なので、ここでフィリピンと日本の人口構成を
ちょっと検索してみることにしました。
その結果は、以下のとおり。
グラフで見るフィリピンの人口ピラミッド(全年齢・男女別)
https://graphtochart.com/population/philippines-pyramid.php
この統計を見る限り、男女比が大幅に異なるということはなさそうです。
さてそこで、さらに彼の噂の噂が展開します。
フィリピンでは、圧倒的に女が多いので、女が結婚相手を見つけるのは
至難の業なんです。
一方で、男の方と言えば、いくらでも相手が見つけられる。
ところが、若い男で見栄えの良い男には「ゲイ」が多くて、ストレートの男は
たいてい不細工なんだよねえ。
だから、女が結婚相手を探しだすのはさらに難しくなる。
そして、女の側といえば、その逆に、「トンボーイ」と呼ばれる「ゲイ」の逆バージョンが
現れる。つまり、男のような女ですね。
なぜ、そんなことになってきたのか、科学的な分析を見たことはない。
私が小さかったころは、男はジンを飲んで、犬を喰っていた。
男兄弟が多かった時代。
今の若い世代は、ビールを飲んで、アメリカンなモノを喰っている。
女が圧倒的に多くなった時代。
・・・・という話でした。
もしかして、アメリカの陰謀か??
では、ここで、上記の統計からさらに、フィリピンの高等教育での男女比を
見ていきましょう。
Education of Women and Men
https://psa.gov.ph/content/education-women-and-men
Female to male ratio in tertiary education
in the Philippines from 2005 to 2017
これらのサイトの統計を読んでみると、以下のようなことが分かります。
― フィリピン全体としての人口構成からみれば、二十代以下では、男の方が若干多く、
ほぼバランスが取れている。
― In 2017, there were approximately 1.32
females per one male in tertiary education
enrolment in the Philippines. とあるように、大学などの高等教育においては、
女と男の比率が 女が男の1.32倍となっている。
― 従って、男の噂の噂と、バギオ市の大学生街でみかける圧倒的な女子大生の多さは、
どうも地域的な要素が多いように思える。
これらを総合して想像すると、20年前に大学の先生から聞いた話、
「女の子の方が、真面目に勉強するから、親が女の子に期待している。」
というのが正しそうです。
話は変わりますが、
世界ジェンダーギャップ・ランキングというのがあります。
世界の中での フィリピンのランキングと 日本のランキングには
大きな差が歴然とあります。
【ジェンダーギャップ指数】日本、2023年は世界125位で過去最低 政治・経済改善せず
https://www.asahi.com/sdgs/article/14936739
フィリピンは16位で、日本は125位となっています。
「日本の総合スコアは0.647で、前年(0.650)と比べてわずかに後退した。G7(主要7カ国)をみると、ドイツ(6位)、英国(15位)、カナダ(30位)、フランス(40位)、米国(43位)、イタリア(79位)と続き、日本(125位)は最下位。アジアでもフィリピン(16位)、シンガポール(49位)、ベトナム(72位)、タイ(74位)などが上~中位につけ、日本は韓国(105位)や中国(107位)も下回った。」
考えるヒントはいろんなところにありそうです。
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後日談:
上記のような統計的な話を「噂の噂」の男性に話してみたところ、
下のような弁明がありました。
男、特に長男や次男の場合、父親の家業を継いで、家族を養うために、農業や建設労働など
の仕事に早い時期から就くことが多い。
なので、弟たちや妹たちに高等教育を受けさせるために、自分を犠牲にする。
工場勤務などの、現代型の仕事には、手先が器用で細かいことにも気を配れる女の
方が就職しやすい。
バギオ市の場合は、バギオ市が大学が多い高等教育のメッカでもあるため、
家族の期待を背負った女子大生が多いのではないか。
つまり、フィリピン全土でみると、統計どおりに男女のバランスがとれている
けれども、バギオ市周辺の場合は、高等教育という面で、女子が集まるという
ことのようです。
ところで、小学校やハイスクールの教室では、女子は先生に近い前半分、男子は
先生から遠い後ろ半分に自然に座るのだそうです。
そうした中で、前の方にすわる男子は、ほとんどがゲイである、というのが
噂の噂の男の持論でした。
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